高さいろいろ

軒高軒の高さ。オフィスビルなどの場合、概ね屋上面に近い高さになる。ただし、「パラペット高」と区別されてない場合もある模様。
パラペット高胸壁(屋上の外側のへりの部分で建物と直接繋がっているもの)を含む高さ。後施工で設置される目隠し壁は含まないようだ。
建築物高さ法令上の高さで、「パラペット高」と同じか近い数字のことが多いが、細かい決まりがあって難しい。
高さ単に「高さ」と使われた場合は、「建築物高さ」を差していることが多いが、テレビや一般の新聞などでは「最高高さ」のこともある。
最高高さ避雷針などを除いた建物の最高部の高さ。手すりなどは通常参入しない。屋上設置物などの扱いは場合による。
避雷針高さアンテナ・避雷針など含む最高部の高さ。航空障害灯の設置判定(※)に使われる。

※ただし、航空障害灯のある建物が必ず高さ60m以上とは限らないので注意。
設置基準は「避雷針高さ60m以上」であるため、中国銀行本社ビルなど「最高高さ」が60m未満でも設置されていたり、逆に免除となる条件もあって、コア本町のように80mを超えていても設置されていない例もある。

平均GLと設計GLについて

高さの基準となるGL(Ground Level)には次の2つがある。

平均GL法令上の平均地盤面で、建物の周囲の地盤面高さを平均したもの。届出や規制で使われる「高さ」は、概ねこちらによる。建物が斜面にある場合は扱いが複雑になり、法令上の高さと見た目の高さが乖離していることがある。
設計GL設計・施工上の基準レベルで、図面上の0m位置。法令上の平均GLとぴったり一致していることは少ない。

出回っている高さの基準がどちらであるか明示されていることは少なく、このサイトでも両者が混在している。両方分かっている場合は設計GL基準による高さをかっこ書き併記とした。

「建築計画のお知らせ」看板について

岡山市では、2015年以降、岡山市中高層建築物に関する指導指針により、住宅地周辺の工事では建築計画書の「高さ」欄に最高高さ相当を記載することとされている。ただし、商業地など対象外の地区で自主的に設置している場合は、これによらない可能性もある。

正確な高さが分かりにくい理由

  1. 「高さ」がどの高さを差しているのか分からない
    • 「軒高」?、「建築物高さ」?、「最高高さ」?
    • 届出書類などで「建築物高さ」を記入する欄の表現が「最高高さ」となっていることがある。
  2. 「高さ」が建物の実際どの部分に対応しているか分からない
    • 頂部の構造物や飾り状のものが高さに含まれているかどうかなど。
  3. 「高さ」の基準が、平均GLなのか、設計GLなのか不明
    • 平均GL基準のものが正式な高さのはずだが、設計GL基準の数字が広く認識されている場合がある。
    • 平均GLと設計GLが完全に一致していることは少なく、斜面に建っている場合は差が大きくなりやすい。
  4. 建設中に高さが変更されている
    • 棟屋部分の変更など。
    • ネットでは設計事務所が実績を公開してることが多いため、当初設計の数字が出回りやすい。
    • パンフレットや記事の記載が変更前のまま。
    • 「建築のお知らせ」を確認しても、タイミングによっては竣工時の高さを把握できないことがあり得る。
  5. 竣工後に高さが変更されている
    • ヘリポートや目隠し壁の増設など。

3.以降はどれも見極めにくい。設計変更(4.)はよくあるようだ。
このサイトでも推定値(*付のもの)以外は何かしらの数字を拾っているが、最終的な正しい数値でない可能性がある。

「主要部高さ」について

特に法令上の高さとかではなく、個人的な見た感じの高さ。

パラペットまたは目隠し壁の高さが基本で、「建築物高さ」と同じか近い数字になっていることが多いが、違う場合もある。ビルごとの個別ページの画像にマーキングを入れた。

工場などの扱いについて

法令上は屋根があればだいたい建築物として扱われるが、このサイトでは以下の通りとする。

対象物ビル扱い説明
工場棟周囲に壁と屋根があるものはビルと考える。
プラント・構造物など×鉄塔・パイプ・高炉など、明らかにビルでないものや、多層構造のステージに機器を備え付けているプラント設備など。部分的に建物状となっているものもあるが、地表から建っている部分を除き対象外とする(岡山県共同石灰(新見)など)。
焼却炉・発電所など建物に収納されていればビルとして扱う(水島火力など)。大規模な防護壁のみ設置されているものは対象外だが、参考としてリストには載せるかも。
サイロ×四角いビル状のものや、上部に機械室が建っているもの(JA西日本くみあい飼料の⑦など)もあるが、いずれも対象外とする。機械棟が併設され一体化している場合はビル扱いとする(全農サイロなど)。なお、久米南ライスセンターのように微妙なものもある。(併設棟一体の施設に見えるが、実際は上部機械室付きのサイロが独立して建っているため、対象外。)
サイロ併設棟
コンクリートプラント×外壁付きのものは構造的には通常の建物と変わらない気もするが、対象外とする。地上部含め完全に建物に収納されていればビルとして扱うが、現状このサイトでリストアップされるようなものは無い。

近年建設されている高層の工場棟は普通に堅牢なビルである(岡山村田製作所など)。また、最近は環境対策やメンテナンス上の理由からか、機械設備を建物内に収納するようにプラントを建設することが増えている気がする。

高さの推定について

GoogleEarthの標高表示機能を基本に、写真や断面図、周辺建築との比較、出所不明な数値なども参考にしている。新しい資料などが見つかれば適宜修正する。

数字のみ推定ではなく何らかの出典があるもの。元資料で「約○m」などとなっているものも、そのまま表記している。
*付き誤差±1〜2m程度。主にGoogleEarthによる推定値。
〜程度誤差±5〜10m(高さの10%)程度。写真やイメージパースなどによる大まかな推定値。
〜程度?特に根拠のない想定の高さ。

GoogleEarthの3D表示

GoogleEarthについては結構使えることがわかった。特徴はこんな感じ。(コメントは2016年2月版に対するもの)

  1. 絶対値は正確ではないが、同じ場所での高さの差(地表と建物上部との差)はかなり正確。高さ既知の建物をフィート表示で確認すると、概ね誤差数十センチ以下で一致する。(これなら0.1m単位で表示してくれればいいのに‥)
  2. 尖塔や薄いパラペットなど、細部は上手く3D化できない。このとき高さとしては低くなる場合が多いが、逆に直近(数十センチ以内)の設置物の影響で高くなる方向に歪むこともある。
  3. 狭い場所やごちゃごちゃしている部分で不正確になる。狭い窪みや、設置物の多い屋上面の高さが実際より低く表示されたりする模様。
  4. 送電鉄塔のようなスキマの多いものも当然苦手。特に、古く色がくすんでいるものは3D化が中途半端だったり、紅白に塗り分けられているものは上部が無くなったりしやすい。
  5. 波状屋根などモアレ的な要素のあるものでは、位置の特定に失敗することがある。イオンの棟屋や駅のホーム屋根の空中に浮かんでる謎物体はこれ。

2019年に3Dマップが更新された(2016年2月版→2018年10月版)ので比較してみたところ、同一建築物についての高さの差(地表と建物上部との差)の変化は最大1フィート程度で、かなり精度の高い3D化が行われれているようである。また今回の更新では、前記の2,3,5あたりについても若干改善しているように見える。(4は若干悪化してるかも。ドコモビルのアンテナ台など。単にソース画像の差のせいかも。)

2023年の更新(2018年10月版→2022年10月版)では、以前と比較してやや解像度が落ちた。また、3Dエリアの境界付近、岡山市児島や倉敷市水島の一部などは以前のモデルのままとなっている。

※3Dマップの撮影時期の履歴(岡山市中心部)  2022/9/20 2018/10/12 2016/02/11 2014/05/29

3D化されている地域(2023年現在)

早島町のみ全域3D化されている。総社市、笠岡市、瀬戸内市も一部3D化されている。(赤磐市はギリギリ届いてない)

※参考→ 2020年版